【交通事故について知る】専門用語に触れておこう(5)「責任無能力者」とは? 子供が事故を起こしたら親が全責任を負うことになる?

投稿日:2013.12.14

藤沢市交通事故外傷治療院のブログです。

 

「責任無能力者」とは

文字とおり、責任を取る能力のない者をいいますが、性格的、経済的な面などで責任をとれない人間のことではありません。

法律的な言い回しでは「責任能力」とは「その行為の責任を弁識するに足りる知能」をいいます。その能力がなければ「責任無能力者」となり、民事責任を問うことはできません。

 

具体的には、個々の行為ごとに考えます。

未成年者であっても、12~13歳くらいになれば責任能力はあるといわれています。

ですが、責任能力があるからといって、誰にでも損害賠償を請求できるわけではありません。例えば高校生が運転するオートバイに跳ねられた場合では実際には高校生から損害賠償金は取れません。

 

民法上、責任能力のない者については、法律で定められた監督義務者に責任があります。

監督義務者とは、未成年の親権者、成年後見人などです。

 

未成年の責任無能力者であれば、監督義務者は両親ということになります。

ですが、高校生では「責任能力」自体はありますから、通常は両親には「監督義務者」としての責任は問えません。

 

両親には民法714条の「無能力者」の監督義務責任とは別に、「未成年者」を監督する一般的義務がありますので、その義務を怠ったことと、交通事故が起こったこととの間に因果関係があれば、両親は「直接の不法行為者」として責任を負うことになります。

義務を怠ったというのは、この場合、「両親がきちんと交通教育をしていなかった」という理由です。

 

最近ニュースにもなりましたが、神戸地裁で、小学生の子供が自転車で老人を跳ねた事件で、親権者(母親)に1億円近い損害賠償金額の支払い命令判決が下されました。

このケースは、下り坂を時速20~30キロで走行し、前方から歩いてきた女性を跳ねた事故です。小学生の前方不注意が原因で、被害者は意識不明の重体になり、介護費用その他で1億以上の請求がされたのです。「監督義務」の重さをお分かり頂けるでしょうか。

 

また、子供が交通事故を起こした場合、両親には民法上の責任だけでなく、自賠法上の「運行供用者責任」が生じる場合もあります。

例えば、親が自動車の購入費用やガソリン代、保険料などの費用を負担している場合や、親が扶養している子供が事故を起こした場合など、判例では親に対して「運行供用者責任」を認めた例もあります。

 

一口に「交通事故の責任」といっても、このように立場によっていくつかの種類があります。

自身だけでなく、ご家族が事故を起こした場合にも責任が生じる可能性があることを自覚しておきましょう。

 

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